tecotoca

生きてると「◯◯ってことか!」の連続。

ウィーンで無賃乗車

恐ろしいくらいに無計画な自分に驚いている。ウィーン西駅はかなり大きい(私からすれば東京駅みたいな感じ)のに私はウィーンからスロバキアブラチスラバへの行き方を全く調べずにホテルをでた。これだけ人がいるのだから誰かに聞けばわかるだろうとたかをくくっていた。

 

駅にきて気づいたのだが、私は全く英語が話せない。アイウォントゥーゴートゥーブラチスラバと80人くらいの人に言ったと思う。かろうじて通じても相手の回答が理解できなかった。

 

人を頼ってばかりだからだめなんだと反省し、マクドナルドの前でFreewifiを拝借。どうやらいったんウィーンの中央駅まで行かなければ直行列車はないようだ。券売機で切符を購入、なんとか乗るべき列車を発見し、ウィーンの中央駅に到着した。

 

するとブラチスラバ行と書いた列車が向かいのホームに止まった。私は慌ててその列車に飛び乗った。これに乗っていれば1時間程でブラチスラバに着くのか、なんだか意外とチョロかったなあと思って乗っていると、車掌らしき太った男がやって来た。多分「切符拝見しまーーす。」と言っている。

 

ここで気がついたのだが私が持っている切符はウィーン西駅から中央駅までの切符である。全身から血の気が引いているがもう遅いのである。私はアホな旅行者を装い(まあ本当にそうなんだけど)明らかに安すぎるその切符を見せた。車掌は無表情で目が死んでいる。ドイツ語で何か言っているが多分「どこまで行くつもり?君わかってるよねえ?次の駅で降りてもらえる?」てな感じだろう。これには他の乗客もドン引きしていた。トランプをしていた子どもたちの手も止まっていた。

 

私は片田舎のひと気のない駅で車掌に連れられて列車を降ろされた。その駅でちゃんと切符を購入し、2時間後に来たブラチスラバ行の列車に乗った。無事にブラチスラバに着くと、すでに夕方になっており、ウィーンのホテルを出てから6時間経っていた。

 

こちらの電車には改札という概念がない。だから切符なんか買わずとも電車には乗れてしまう、というこのシステムを呪いつつ、私はなんとかスロバキアにたどり着いた。