先日はオーストリアのヴァッハウ渓谷を訪れた。まずはブラチスラヴァからウィーンへ電車で一本で移動。私の家の向かいのペトルジャルカ駅から電車が出ているため、かなりお手軽に行くことができた。
往復で14ユーロ、2週間有効というフレキシブルな切符
ペトルジャルカ駅→ウィーンへの電車は真新しいが乗客は少ない
1時間10分ほどでウィーン中央駅に到着。こんなに近いのに国境を越えていて、言葉はスロバキア語とはまったく違うドイツ語に様変わりし不思議な感覚だ。ついてすぐにオーストリアの伝統的なファストフードへ。名前はぜったい思い出せないがパンに切りたての分厚いハムを挟んだだけのシンプルさ。この大きさで5ユーロという日本並みの物価高さに驚き、スロバキアボケしている自分に気づく。
ウィーン中央駅の外に出ると、なんだか見たことのある異様なほどカラフルな建物の並び。そう、ちょうど2ヶ月前のこの日私はウィーンに降り立った。ネットが使えない事実に焦り、ひとり不安になりながら乗ったタクシーから見ていた光景だ。あの時の自分はまだ他所者だった。なんだかすぐにここから出ていかないとと思い、早々と後にしたウィーンの街並み。今も他所者には変わりないけどもう少しここに居ても良いのかなと少し安心している。
駅の近くには、ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)
ウィーンから更に電車で1時間半、クレムスという駅に到着。そこから更にバスに乗ってヴァッハウ渓谷を目指す。
こじんまりとしていてかわいいクレムス駅
謎の交通渋滞の末40分程かかり目的地のデュルンシュタインという街に到着する。天気はここからいきなり曇天模様。
バスを降りるとすぐに広がる葡萄園
誰もいないデュルンシュタイン
坂を上がっていく
家の壁を覆っているのもよく見ると葡萄だ
だいぶ登ると葡萄園の向こうにドナウが
かなり疲れたので丘の上で美しいドナウを眺めてゆっくり休憩して街に戻ってきた。
オーストリアのオリジナルジュースは美味い
ドナウ川沿いを歩いていると廃墟らしき建物を発見。かなり大きいし解放されていたのでここぞとばかりに見入ってしまった。
窓の割れ方がこわすぎる
もう少し歩くと山の上に廃城が見えたので行ってみることに。
葡萄園の向こうの廃城(Ruine Hinterhaus)
12世紀から存在しているお城でデュルンシュタイン城も似たような廃城だけどこちらはもっと小さくて人もぜんぜんいない。またそれが良かった。写真では伝わりにくいけど小さくも美しく悠然と佇む石垣にはぐっとくるものがあった。
800年前もこのお城から見える景色は変わってないだろうな
再び街に降りてきたときにはかなり疲れていて、ワインを飲む気まんまんだったが店がやっていなかった。時間が遅くなったからかも知れないが、廃墟とデュルンシュタインの街に満足していたので文句は言わず水を飲む。
なんだかちょっとおどろおどろしいがここから出てる水はかなり美味かった。
下調べもほとんどせずにこんな奥地まで来ることができたのもドイツ語の話せる友達のおかげ。ひとり旅は困難が多いけどバスや電車に乗れたらその都度達成感があって好きだ。でも現地の友達とする旅はその地の隅々まで知ることができて満足感がある。ヴァッハウ渓谷(デュルンシュタイン)は想像以上に田舎を感じられて、廃墟も満載で、ゆっくりするにはもってこいの場所。物価がちょっと高いのが難だけど、お金に余裕さえあればぜひクルージングをするべきだ。船の上でワインを飲んで優雅に過ごすのがヴァッハウ渓谷の一般的な楽しみ方なんだと思う。